遺品整理は、故人の思い出と対面することが求められる繊細な作業。なかには、捨ててはいけない遺品も存在します。
この記事では、故人が残した遺言書や通帳、貴重品、デジタル遺品など、捨ててはいけないものをご紹介します。
遺族間のトラブルを避け、法的トラブルに巻き込まれないための重要なポイントと、遺品を処分する前に行うべき手順も詳しく解説します。
遺品整理の過程で発生する可能性のある問題を未然に防ぎ、故人との思い出が悲しいものならないようにしましょう。
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目次
遺品整理で捨ててはいけないもの
遺品整理をする際、多くの遺品を前に、何から始めれば良いのか、何を捨ててはいけないのか迷ってしまうこともあるでしょう。
ここでは、遺品整理で絶対に捨ててはいけないものと、判断に困ったときの対処法について詳しく解説します。
遺言書
遺言書は、故人が自身の意思を書き残したものです。
遺品整理で遺言書を捨ててはいけない理由は3つあります。
- 故人の意思を尊重するため
- 相続争いを防ぐため
- 法的な手続きに必要なため
遺言書には、遺産の分配方法、葬儀に関する希望など、故人の遺志が記されている場合があります。
また、遺言書がないと、相続人同士で遺産分割について争いが発生する可能性が高くなる可能性が大きいです。
遺言書を見つけた場合には、弁護士や司法書士などの専門家に相談しましょう。
通帳・カード
通帳・カードは、故人の預貯金を引き出すために捨ててはいけないものです。
たとえ親族であっても、通帳・カードがないと預貯金を引き出せません。
また、記帳内容を確認することで、故人の資産状況を把握することができるため、勝手に捨ててはいけません。
確認した上で、不要だと判断した通帳やカードなどの遺品を捨てる場合は、以下の手順で進めましょう。
- 残高を確認する
- 解約手続きを行う
- 磁気テープ部分を消去する
- シュレッダーで裁断する
通帳・カードを放置すると、悪意のある第三者によって不正利用される可能性があります。
クレジットカードやキャッシュカードなどの磁気カードは、個人情報保護のために磁気テープ部分を消去してから裁断しましょう。
故人の銀行口座手続き方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
年金手帳
遺品整理で捨ててはいけないものの中に、年金手帳があります。
故人が受給していた年金は、死亡届の提出によって停止されます。
死亡届を提出する際にも、遺族年金の請求にも年金手帳が必要です。
遺族年金は、故人の遺族が受け取ることができる年金
遺族年金の請求には、年金手帳のほかにも、以下の書類が必要です。
- 死亡届受理証明書
- 故人様の戸籍謄本
- 遺族の戸籍謄本
- 遺族の銀行口座
これらの大切な手続きがあるため、年金手帳のような遺品は絶対に捨ててはいけないものなのです。
身分証明書
遺品整理で見つかった故人の身分証明書は、絶対に捨ててはいけないものです。
各種手続きに必要となるからです。具体的には、以下の手続きが該当します。
- 銀行口座の解約
- 不動産の登記変更
- 生命保険金の請求
また、以下の身分証明書は返納手続きが必要です。
- 運転免許証
- 健康保険証
- マイナンバーカード
返納手続きは、各発行機関によって異なります。
故人の身分証明書を放置すると、悪意のある第三者によって犯罪に利用される可能性があるので注意しましょう。
現金
遺品整理で現金を見つけたときは、必ず他の相続人に共有してください。
隠したり、勝手に使い込んだりすることは絶対にNG
現金の金額、発見場所などを記録した遺産目録を作成しましょう。
遺産目録は、遺産分割協議を行う際に必要となります。
遺品整理の際に、現金は以下のような場所に隠されていることがあるので、間違って捨ててはいけないものです。
- タンスや押入れの奥
- 仏壇や神棚
- 天井裏や床下
- 金庫
- 郵便貯金
高額な現金は、税務署に申告する必要が生じる場合があります。
遺産分割協議や相続税申告などについて不安な場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
動産や不動産の権利証・契約書
遺品整理で動産や不動産の権利証・契約書を見つけたときは、種類と内容を確認しましょう。
遺品整理の際に捨ててはいけない権利証・契約書の例
- 不動産: 登記済権利証、不動産登記簿謄本、売買契約書、賃貸借契約書
- 動産: 自動車車検証、船舶検査証、金品に関する契約書
それぞれの書類の内容を確認し、どのような動産・不動産に関するものなのか把握しましょう。
権利証・契約書の内容が複雑な場合や、どのように扱えば良いか分からない場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
仕事に関する資料
遺品整理で仕事に関する資料を見つけたときは、資料の内容を確認し、どのような仕事に関するものなのか把握しましょう。
具体的には、以下のような情報を確認します。
- 会社名
- 役職
- 仕事内容
- 取引先
- 顧客情報
- 契約書
- 領収書
- メモ
資料の内容によっては、会社や取引先、顧客などに連絡しなければなりません。
機密情報が含まれている場合は、会社や取引先の指示に従って処分してください。
必要に応じて、遺品整理業者に依頼して処分すると良いでしょう。
レンタル品
遺品整理で見つけたレンタル品は、決して捨ててはいけないものです。
故人がレンタル品を利用していたかどうか、事前に確認しておきましょう。
レンタル品には、レンタル業者の名前や連絡先が記載されていることが多いです。
故人が亡くなったことをレンタル業者に連絡しよう
レンタル品を勝手に処分することは、窃盗罪に問われる可能性があります。
必ず、レンタル業者に連絡して、返却手続きを行うようにしてください。
レンタル品に関する手続きや、債務の処理などについて分からない場合は、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
デジタル遺品
近年、捨てることのできないデジタル遺品は増加傾向にあり、遺族にとって大きな課題となっています。
デジタル遺品とは、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器に保存されたデータや、インターネット上のサービスに登録されたアカウントなどの情報を指します。
具体的には、以下のようなものが含まれます。
- 写真
- 動画
- 音楽
- ドキュメント
- メール
- SNSアカウント
- オンラインストレージ
- ネットバンキング
- クレジットカード情報
故人が所有していたデジタル機器をすべてリストアップしてください。
デジタル遺品の存在を把握します。パスワードが記されたメモやファイルは、すぐに捨ててはいけないものです。解読して保管しましょう。
個人宛の手紙
遺品整理で勝手に捨ててはいけないものの中に、個人宛ての手紙があります。
個人情報が含まれている場合は、シュレッダーで裁断するなど情報漏洩を防ぐ方法で処分しなければなりません。
差出人や宛先が不明な手紙は、開封せずに保管する
保管場所に困る場合は、専門業者に依頼して処分することもできます。
支払通知書
遺品整理で支払通知書を見つけたときは、勝手に捨てることがないようにしましょう。
支払通知書の内容を確認し、以下の情報を把握しましょう。
- 支払者
- 受領者
- 金額
- 支払日
- 支払方法
- 支払内容
未払いの支払い通知書が見つかった場合には、速やかに支払いを済ませる必要があります。
紙ゴミに紛れて捨ててはいけないものなので注意しましょう。
領収書や保証書も財産状況や取引先を把握する上で役立つ可能性がある
支払通知書の内容や、支払い手続きなどについて分からない場合は、弁護士や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
写真
遺品整理で見つかった写真も、すぐに捨ててはいけないものの一つです。
写真は、故人の思い出を記録する貴重なものだからです。
アルバムに整理したり、デジタルデータ化したりして、思い出を残すことができます。写真以外にも、ネガやビデオテープなどの遺品が見つかる場合もあります。
デジタルデータ化サービスを提供する遺品整理業者もいるので相談しましょう。
アルバムや写真の遺品整理はこちらをご覧ください。写真の整理のコツと注意点も紹介しています。
美術品・骨董品
遺品整理で美術品・骨董品を見つけたときは、捨ててはいけないものを分別・仕分けしましょう。
美術品・骨董品の価値を確認するには、以下の方法があります。
- 専門家に鑑定してもらう
- インターネットで調べる
- 古書店や骨董品店に持ち込む
遺品を買い取りできる専門業者に依頼すれば、査定から買取までスムーズに進められます。
思い出の品など、自分で保管したい遺品は捨てることなく大切に保管しましょう。
貴金属
貴金属も遺品整理で捨ててはいけないものです。
貴金属の種類と価値を確認するには、以下の方法があります。
- 刻印を確認する
- 専門家に鑑定してもらう
- インターネットで調べる
貴金属は、壊れやすいので丁寧に扱うようにしましょう。
湿気や温度変化にも弱いので、適切な環境で保管するべきです。
価値ある遺品であれば、貴金属買取に強い業者や、リサイクルショップに持ち込んで査定してもらうこともできます。
鍵
見つけた鍵は遺品整理で捨ててはいけないものです。まずは、鍵の種類と用途を確認しましょう。
車、家、ロッカー、金庫などの鍵が見つかる場合がある
遺品の鍵は、捨てるか、使用するか検討しましょう。
鍵の種類や用途、処分方法について分からない場合は、専門家に相談することをおすすめします。
思い出の品
遺品整理で見つかった思い出の品は捨てる前に、相続人で情報を共有しましょう。
捨ててはいけないもの(思い出の品)は、以下のような方法で保管できます。
- 写真に撮る
- デジタルデータ化する
- 形見分けとして分ける
保管場所がない場合や、保管するのが難しい場合もあるでしょう。
思い出の品を含む遺品を捨てるのは心が痛むかもしれませんが、思い切って捨てることも大切です。
遺品整理業者に依頼すれば、思い出の品を丁寧に処分することができる
遺品を捨てる前にやるべきこと
遺品整理の際に捨ててはいけないものをしっかりと把握することは大切ですが、処分することに決まった後には、以下の手順を守りましょう。
- 遺言書の確認
- 遺族・親族との確認
- 税理士・弁護士に相談する
- 遺品整理業者に相談する
遺品を捨てる前にやるべきことが分かっていれば、スムーズに遺品整理を進められるでしょう。
遺言書の確認
遺品整理で捨ててはいけないものとして、まず確認すべきは遺言書です。
遺言書は、故人の意志を反映した書類なので、相続に関するトラブルを防ぎ、遺品整理をスムーズに進めるために必要不可欠です。
遺言書の種類は3種類:「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」
遺言書の有無は、故人の住まいや勤務先を調査したり、親族や知人に尋ねたりすることで確認できます。
遺言書が見つかった場合、その内容を詳しく確認し、必要であれば専門家の助言を求めることが重要です。
遺品整理を始める前に、遺言書の確認と内容の把握を忘れないようにしましょう。
遺族・親族との確認
遺品整理において、捨ててはいけないものを見極める上で、遺族や親族との事前の確認は欠かせません。
遺族や親族と話し合うべき点は以下のポイントです。
- 遺品の処分方法について合意する
- 遺品の分担方法を確認する
- スケジュールを立案する
- 費用の見積もりと分担を行う
- 貴重品や重要書類の発見時の対応
- 専門業者の選定と費用の確認
事前に遺族や親族との確認を怠ると、後でトラブルが発生する可能性があります。
円滑な遺品整理のためには、事前にしっかりと合意形成を行うことが不可欠です。
遺品整理に関して不明点があれば、専門家や信頼できる業者に相談しましょう。
税理士・弁護士に相談する
遺品整理の際、捨ててはいけないものを見定めるために、税理士・弁護士に相談することは非常に重要です。
相続税の申告は複雑な手続きが必要となります。
また、遺産には不動産、預貯金、株券、貴金属など様々な種類があり、それぞれ評価方法が異なるため、税理士に相談しましょう。
相続人間で遺産分割協議がまとまらない場合や、相続に関する争いが発生した場合には、弁護士に相談することができます。
遺品整理を始める前に、税理士・弁護士に相談することで、スムーズな遺品整理を進められます。
税理士や弁護士への相談には費用が発生するので、事前に確認しよう
遺品整理業者に相談する
遺品整理を行う際、専門の業者に相談することは有効です。
遺品整理業者は、遺品整理に必要な知識と経験を持っているため、捨ててはいけないものや特殊な処分が必要になる遺品を見分けられます。
遺品整理業者が提供するサービスの例
- 遺品の分類と整理
- 不用品の処分
- 貴重品・重要書類の管理
- 思い出の品の形見分け
- ハウスクリーニング・リフォーム
遺品整理を始める前に、複数の業者に相談を。早めの相談で最適な業者を見つけましょう。
初回相談は無料のサービスを提供している業者も多い
遺品整理は心身ともに大きな負担が伴うため、専門業者の利用を検討することは大切です。
信頼できる業者に相談し、故人の遺品を大切に扱ってもらうことができます。
全国対応しているおすすめの優良遺品整理はこちらで紹介していますので、参考にしてみてください。
捨ててはいけない遺品を処分したら
大切な人の死後に行う遺品整理は想像以上に複雑な作業です。
何を残し、何を処分すれば良いのか迷うこともある
遺品整理の際にうっかり捨ててはいけないものを処分してしまうと、後々大きなトラブルに発展する可能性があります。
ここでは、捨ててはいけない遺品を処分した場合に起こり得る問題について解説します。
親族間でトラブルになる可能性がある
遺品整理で捨ててはいけないものを処分した場合、親族間でのトラブルが発生する可能性があります。
遺品整理は、単なる物の整理ではなく、故人の遺志や遺産分割にも関わる重要な作業だからです。
遺品整理において親族間でトラブルが起きる主な理由
- 故人の形見分けを誰が受け取るかでもめる
- 遺品の価値の評価について意見が一致しない
- 遺品整理の費用を誰が負担するかで意見が衝突する
- 遺言書や遺産などの情報共有がなされないため不信感が募る
遺品整理は感情が絡む作業です。家族がお互いの気持ちを尊重し、十分なコミュニケーションを取ることで、トラブルは防げるでしょう。
故人の思い出を大切にしながら、平和的に遺品整理を行うためにも、事前の対策を心がけてください。
賠償・弁償を請求される可能性がある
遺品整理の過程で、故意や過失による遺品の破損、盗難、個人情報の漏洩、遺言書の不正変更などが原因で賠償や弁償を請求されるリスクがあります。
高価な遺品の場合は莫大な賠償金になることもあります。
遺品整理の際に捨ててはいけないものを間違って処分してしまうこともある
遺品整理の方法や費用について、あらかじめ遺族と話し合っておくことで、誤解やトラブルを防げます。
遺品整理を専門とする業者に依頼することで、遺品を適切に扱い、リスクを減らせるでしょう。
相続手続きに支障が生じる
遺品整理を行う際、捨ててはいけないものを処分してしまうと、相続手続きに大きな支障をきたすことがあります。
遺品整理を始める前に、遺言書や財産に関わる重要書類を安全な場所に保管しましょう。
また、遺品を整理する過程で、財産目録を作成して遺産の全体像を明確にすることが重要です。
トラブルを避けるために、相続人間で遺品に関する話し合いを積極的に行い、遺言書などに基づく故人の意思を尊重するようにしましょう。
引継ぎができなくなる
遺品整理において、故人の事業や仕事に関連する重要な書類や情報は、捨ててはいけないものに含まれます。
適切な手順を踏まないと、事業や仕事の継続に必要な引継ぎが困難になるケースがあります。
引継ぎが困難になる主なケース
- 取引先情報、契約書など事業関連の書類を処分してしまう
- 故人の使用していたデバイスのパスワードが分からなくなる
- 専門知識や技術、経験が共有されない
このようなトラブルを避けるためには、法的、財務的な面での相談を専門家に依頼し、適切な引継ぎが行えるようサポートを受けることが大切です。
事業や仕事の継続には、遺品整理の過程で、捨ててはいけないものを見極める注意深い取り組みが不可欠です。
権利を喪失する可能性がある
重要書類のような捨ててはいけないものを遺品整理の過程で処分してしまうと、重要な権利を失う可能性があります。
権利喪失の可能性がある重要書類
- 遺産分割協議書
- 不動産の登記簿謄本
- 株券など権利を証明する書類
権利を証明する書類は紛失や誤処分を避けるため、丁寧に保管する必要があります。
捨ててはいけないものを分類・保管し、専門家と協力しながら慎重に進めることで、遺品整理トラブルを避けられます。
中身の確認ができなくなる可能性がある
遺品整理を進める中で、捨ててはいけないものを捨ててしまうと、故人の遺した物の中身を確認できなくなるリスクがあります。
例えば、パスワードが書かれた書類を処分すると、故人の残したパソコンやスマホなどから、大切な情報の中身を確認できなくなる可能性があると言えるでしょう。
デジタルデータの復旧や物理的に破損した遺品の修復には、その分野の専門業者に依頼することが有効です。
専門のサービスを提供する遺品整理業者に相談しましょう。
遺品整理を業者に依頼する仕分けがスムーズ
遺品整理を業者に依頼することには、多くのメリットがあります。
以下に、遺品整理をスムーズに行うために業者に依頼する理由を簡単に説明します。
- 遺品整理業者は豊富な経験と知識がある
- 遺品整理の際に捨ててはいけないものを保管できる
- 重たい家具や家電の移動にも対応
- 遺族にとって感情的な負担が大きい遺品も整理できる
- 遺族間で意見の対立を見ないで済む
- 清掃や供養などの追加サービスも提供している
遺品整理は時間がかかる作業です。業者に任せれば、効率的に短期間で作業を終えられます。
大切な故人の品々を丁寧に扱い、スムーズに遺品整理を終えるためにも、プロの手を借りるのがおすすめです。
遺品整理なら片付け侍へ
遺品整理を行う際、決して捨ててはいけないものが数多く存在します。
遺言書や通帳、身分証明書、貴重品からデジタル遺品に至るまで、これらは法的トラブルを避け、遺族間の紛争を未然に防ぐためにも大切に取り扱う必要があります。
弁護士や税理士、遺品整理専門業者に相談しよう
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