車椅子のレンタル費用は高く、数カ月使用するだけで新品を購入できる金額になることから、購入検討する方も少なくありません。
ですが介護等で活躍してくれた車椅子が不用になった場合、どう処分すれば良いのでしょうか?まだ使用可能なものならば、捨てるのは忍びないし、自宅に置いたままというのも邪魔になってしまいます。
そこで、この記事では車椅子の処分方法や処分費用について解説します。
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目次
車いすの2つの分類
車いすには大きく分けて2つのタイプがあります。
- 自走型
- 介助型
まずはそれぞれの違いについて知っておきましょう。
自走型
自走式車椅子は、利用者自身が操作するタイプの車椅子です。タイヤの外側に取り付けられたハンドリムを使い、手でこいで進みます。
時にはレッグサポートを外して足でこいで進むことも。さらに自走だけでなく、介護者が後ろから押して使用することも可能です。
自走とは、車椅子を自分の手で動かすことを指し、自操は車椅子を操作して進むニュアンスが含まれます。
2つは似ていますがやや異なるため注意しましょう。
介助型
介助式車椅子は、利用者自身が操作できない方のために介護者が押して動かすタイプの車椅子です。
後輪のサイズは様々ですが、6インチから16インチの機種があり、タイヤが小さくてハンドリムがついていないのが特徴です。
利用者による運転はできませんが、その分軽量でコンパクトに収納する際も便利でしょう。外出時にも持ち運びがしやすく、車にも積み込むことができます。
車いすの種類
車いすは自走型や介助型に加え、形状や使い方によってさまざまな種類に分けられます。ここでは車いすの種類について知っておきましょう。
スタンダードタイプ
車椅子には、利用者自身が手や足で操作する自走用と、介助者が後ろから押して移動する介助用の2つのタイプがあります。これらは施設や在宅で広く利用されており、特に病院や自宅などで一般的に見られるものです。基本的な部品が揃っており、初心者でも簡単に使い始めることができます。
電動タイプ
電動式の車椅子は、バッテリーやモーターを搭載しているため、利用者が手で車輪をこぐ必要がありません。操作は手元のコントローラーで簡単に操作できる便利なタイプです。
片手を動かせれば十分であり、力が弱い人でも練習をすれば乗りこなせるでしょう。ちょっとした坂道も簡単にのぼることができるため、坂道を頻繁に利用する人に適しています。
さらに介助型の電動アシストタイプも販売されており、介助者の押す力をサポートします。ただしバッテリーやモーターが搭載されているため、重量があり、サイズも大きめになることがあります。
リクライニング・ティルトタイプ
車椅子には、背もたれが倒れるリクライニングタイプと、背もたれと座面が連動して倒れるティルトタイプの2種類があります。
リクライニングタイプなら利用者の障害部位や姿勢に応じて調整しやすく、快適な姿勢を保てますよ。一方のティルトタイプは、座面と背もたれが連動して倒れるため、座位での体重が背中や腰に分散されるのが特徴。
それにより長時間の利用でもお尻や太ももへの圧力が軽減されます。
姿勢を維持できない人を乗せる際にも便利です。
転倒防止フットレスト付タイプ
車いすからの転倒は、利用者がフットレストに乗ってしまい、バランスを崩して起こることがあります。
特に仙骨座りの姿勢は、骨盤が後傾し、腰椎が後弯するのが原因。坐骨部が座面シートの前方に移動し、車いすから転落する危険が高まるのです。
不慮の事故を防ぐために、一部の車いすには転倒防止用のフットレストが装備されています。
これは利用者が立ち上がろうとすると、このシステムは動きを感知してフットレストを床面まで下がる仕組み。これによりフットレストの上に体重をかけても転倒するリスクが軽減されます。
軽量折り畳みタイプ
最近では、車いすの重量も大きく変化してきました。一般的な車いすは15kg前後ですが、最新の超軽量タイプは10kg以下にまで軽量化されています。軽いため、操作が簡単で持ち運びも楽々です。
また折りたたみが簡単なので、収納スペースをとらず、取り扱いも簡単です移動や持ち運びが容易になります。
車やバスなどへの積み下ろし時の負担も軽減されます。
耐久性や安定感、乗り心地はやや劣ることがありますので、長時間利用する場合は向いていないかもしれません。
競技用タイプ
車いす陸上競技で使用される「レーサー」と呼ばれる車いすは、通常の車いすとは異なり、3輪構造を持っています。
競技用車いすは、主にカーボンやアルミニウムなどの軽量素材で作られており、ロードレース用の自転車のように軽量化が施されているのが特徴。
大きな特徴は、通常の車いすよりも大きく開かれた外側のタイヤの角度です。回転性を向上させることを目的としており、クイックなターンを可能にします。車いすを用いる様々なパラスポーツで競技者がよりスムーズに動くことができるのです。
車椅子の処分方法6選
車椅子は処分方法によってゴミにもリサイクルにもなります。ここでは代表的な車いすの処分方法を見ていきましょう。
自治体の粗大ゴミで処分
自治体の粗大ゴミ処分なら、車椅子といった大きなゴミも簡単に出せます。一般的な処分費用の相場は数百円から2,000円ほどですが、具体的な金額は地域によって異なります。
粗大ゴミに出せる条件や取り扱いには地域差がありますので、注意が必要です。特に電動式車椅子はバッテリーを外すのを忘れずに。ただし粗大ゴミは予約制である地域も増えており、捨てたいと思ってもすぐには処分できない場合があります。
予約の手順は以下の通りです。
- 出すものの大きさを測る
- 電話やインターネットを通じて申し込む
- 処分費用を確認する。(家庭の事情によっては手数料の減免がある)
- 回収日と確認する
- 粗大ゴミシールを購入し、車いすの目立つ場所に貼る
- 収集日当日に指定場所に車いすを置く
- 回収されれば処分完了!
受付は申し込み順で行われるため、希望の収集日に添えない場合もあります。特に大型連休前や年末年始は混み合うため、余裕を持って予約しましょう。
手続き方法は地域によって異なるため、自治体のホームページや電話で詳細を確認することが大切です。
電動式車椅子のバッテリーの処分方法はこちらの記事で紹介しています。
寄付する
車椅子は寄付も可能です。寄付は主に以下の団体で受け付けています。
- NPO法人
- 社会福祉協議会
- 老人ホーム
- 医療施設
- 介護施設
車椅子を必要とする団体に寄付することで、社会貢献につながります。キレイな車椅子であれば、モデルやメーカーに関わらず寄付が可能です。
ただしあまりに古い車椅子は使いづらい場合がありますので、寄付する際には状態の良いものを選ぶことが大切です。
社会福祉協議会
社会福祉協議会、通称「社協」は、地域の福祉向上に貢献する民間組織です。その設立は昭和26年にさかのぼり、社会福祉法に基づいています。
社協の活動は、住民の地域福祉活動を支援し、ボランティアや市民活動を促進がメイン。また、地域での生活支援に関する相談や支援活動、生活福祉資金の貸付など、多岐にわたるサービスを提供しています。
車いすを寄付する場合、いきなり持ち込むのはNGです。必ず前もって問い合わせし、手順について確認を行ってください。一般的な流れは以下の通りです。
- 近くの社会福祉協議会へ電話やネットで問い合わせを行う
- 寄付したい車いすを実際に見てもらい、引き取りの可否を判断してもらう
- 問題なければ引き渡して完了
社会福祉協議会に車いすを寄付した場合、後日ホームページにてお礼のメッセージが記載されることも。また団体によっては車いすの利用状況なども公開しています。
アジア車いす交流センター
アジア車いす交流センター、通称『WAFCA(ワフカ)』は、愛知県刈谷市に1999年に設立されました。
このセンターは、自動車部品メーカー株式会社デンソーの創立50周年を記念する社会貢献事業としてスタートしました。
その活動の目的は、車いすの普及を通じて障害者の自立を支援し、さらにスポーツや教育分野での交流を通して、バリアフリー社会の実現に寄与することです。この取り組みは、障害者だけでなく、社会全体の利益にもつながると考えられています。
大体では車いすの寄付を受け付けているほか、1,000円〜修理・点検を行う「車いす病院」などの運営を実施。車いす病院では不要となった車いすの回収も行っており、アジアの障がい児支援に役立てられます。
希望の車いす
希望の車いすは、世界の身体障害者や子供たちに必要な車椅子を提供し、アジア各国の福祉と生活の質向上への貢献を目指す団体です。
使われなくなった車椅子を、車いすメーカーやリース会社・福祉団体・個人などから回収します。回収された車椅子は、ボランティアの手で丁寧に洗浄や整備が施され、ピカピカの状態に!
こうして整備された車椅子は、主に海外の車椅子を必要とする人々に届けられます。また、寄付金は活動費や海外への輸送費などに充てられ、活動の継続や拡大に役立てられます。
AJU車いすセンター
AJU車いすセンターは昭和区にある自立生活センターで、怪我や福祉制度のサポートが得られない方々に対し、無料で車いすの貸出を行っています。これにより一時的な車いすの必要性を満たすのはもちろん、地域の自立を支援。
現在無料貸出やその他の事業を継続するため、車いすの寄付や寄付金の募集を行っています。
さくら車いすプロジェクト
https://www.j-aws.jp/pages/?page_id=175
さくら・車いすプロジェクトは、日本国内で不要になった中古の電動車いすを受け取り、それをパキスタンに輸送。現地の障がい者団体が整備して配布する活動を行っています。
サイトを確認したところ現在、車いすの寄付を受け付けていました。ただし引き渡しの際の送料は提供者の負担となります。ホームページに寄付の手順が記載されているので、確認してみるとよいでしょう。
車椅子買取専門店に買取してもらう
リサイクルショップでも、介護用品の買取に力を入れている店舗があります。そのため「少しでも高く売りたい」「適正価格をつけてもらいたい」と思ったら、相談してみるとよいでしょう。一般的な売却手順は以下の通りです。
- ネットや広告で車いす買取専門業者を探す
- 気になる業者が見つかったら、問い合わせを行う
- 車いすを査定してもらう
- 車いすを引き渡し、売却代金を受け取る
車いす専門業者によっては難ありで、修理して使用できる状態ならば買い取ってもらえる可能性があります。また壊れている車いすの処分を引き受けてくれることも。不必要となった車いすがあれば、相談してみるとよいでしょう。
リサイクルショップで買取してもらう
リサイクルショップでは、車椅子の買取や販売を行っていることがあります。買取価格は車椅子の種類やメーカーによって大きく異なり、有名メーカーの車いすは高値で取り引きされることも。ただし、良好な状態のものでないとなかなか買い取ってもらえない場合もあります。
また古くなった車椅子や運ぶのが難しい場合には、出張買取が便利です。自宅まで引き取りに来てもらえるので、買取手続きがスムーズに行えますよ。
フリマアプリ・オークションサイトで販売する
車椅子の処分方法として、オークションやフリーマーケットで売る方法があります。この方法はリサイクルショップと同様に、売却することでお金になる点がメリット。ただし状態のよい車椅子であれば高値で売れる可能性もありますが、買い手が見つからない場合も考えられます。買い手がつかないと自宅で保管する必要があるため注意しましょう。
車椅子の売却価格は、メーカーやモデルによって相場が異なります。有名メーカーの製品ほど高値で取引される傾向がありますが、車椅子は需要が高いため、メーカーが不明でも売却可能です。
車椅子を出品する際には、以下の点に注意しましょう。
- 写真をたくさん載せて実物が分かりやすくする
- 説明文に状態をくわしく記載する
- 難点も詳細に書く
- 購入時期や購入期間が分かれば書く
- 説明書や保証書の有無を書く
- できれば出品前にメンテナンスや修理に出す
特に詳細な商品情報と写真を掲載することが重要です。これによって買い手の信頼を得やすくなり、売却がスムーズに進むでしょう。さらにメンテナンス済みであれば安全性が担保されるため、購入側も安心です。
不用品回収業者に引き取りしてもらう
不用品回収業者に依頼する方法があります。不用品回収業者なら車椅子を指定の場所まで引き取ってもらえますよ。
そのため高齢世帯や女性の方、複数の不用品をまとめて処分したい方にオススメです。不用品回収業者によっては、即日回収や指定の日時に回収してもらうことも可能。故障している車椅子でも問題ありません。
ただし、業者によってサービス内容や料金が異なるため、信頼できる業者を選びましょう。回収費用については、事前に見積りを取ることで概算費用を把握できますよ。
信頼できる不用品回収業者の選び方はこちらの記事で解説しています。
車いすの処分費用相場
処分方法 | 費用相場 |
自治体の粗大ゴミ | 数百円~数千円※自治体による |
リサイクルショップ | 無料 |
車椅子専門業者 | 無料 |
寄付 | 無料※送料がかかることも |
不用品回収業者 | 数千円~1万円 |
車椅子は処分方法によって費用が異なります。そのためリーズナブルに処分したいなら自治体や寄付を、安全かつ楽に処分したいなら不用品回収業者がオススメ。
不用品回収業者なら、電話やメールで予約でき、回収から処分まで業者任せでOK。予め見積書をもらえば費用の心配もありません。
すぐに捨てたいなら不用品回収業者に依頼
車椅子は自治体に捨てられないことも多く、重たくて捨てるのが難しいこともよくあります。
車椅子はご家族を守ってくれた大切なアイテムです。もしまだ十分に使える状態であれば、買取ショップ等に売却したり、欲しい人にあげたり、寄付するなどして、できるだけリユースするようにしたいですね。
もし「簡単に早く」車椅子を処分したいなら不用品回収の片付け侍へ!電話1本で簡単に車椅子を処分できます。
まずはどれくらい費用がかかるのか、見積りだけでも気軽にご相談ください。
この記事の参照サイト:しんぶろぐ~介護ノート
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