家族や親族が亡くなって、遺品の衣類が大量に残っているなら、処分方法や時期を考える必要があります。状況に応じた処分方法が分かれば、遺品整理をスムーズに進められるでしょう。
今回は衣類を遺品整理する時期の目安やスムーズに整理するための仕分け方、処分方法について解説します。
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亡くなった人の服を遺品整理で処分するタイミング
故人の衣類を整理する際には、親族が集まる法要や慰霊の場を利用すると良いでしょう。これにより、形見として残したいと思う家族の意見も聞くことができます。
また、自治体のリユース活動にも参加し、衣類の再利用も検討しましょう。処分の主なタイミングは以下の通りです。
早急に処分する必要がある場合
故人が賃貸物件に住んでいた場合や、相続税の手続きなどで早急に整理が必要なケースもあります。このような場合は、すみやかに遺品整理を行い、無駄な出費を避けることがポイントです。
気持ちが落ち着いてから
故人を偲ぶ気持ちが落ち着いたタイミングで行うのもよいでしょう。葬儀後は慌ただしく、気持ちの整理が追いつかないこともあります。そのため一段落ついた後に遺品整理を行うことで、より冷静に取り組むことができます。
遺品整理のタイミングは個々の状況によって異なりますが、家族や親族とのコミュニケーションを大切にし、故人を偲ぶ気持ちを尊重しながら進めましょう。
衣類の遺品整理の前に確認すべきこと
衣類の処分は、遺品整理において特に悩ましい問題です。大事な衣類を捨ててしまうことへの後悔や、家族とのトラブルを避けるために、以下のポイントをしっかりと考えていきましょう。
遺言書を必ず確認する
遺品整理を行う際、前もって遺言書やエンディングノートを確認しておきましょう。確認が必要な理由は以下の通りです。
- 故人の意向を尊重するため
- トラブルを回避するため
- 遺言書の取り扱いに注意!
順番に詳しく見ていきましょう。
故人の意向を尊重するため
遺言書やエンディングノートには、故人の衣類に関する希望や意向が書かれていることがあります。大切な服や着物、思い出の品々があるかもしれません。その意向を尊重し、適切な処分を行うことが重要です。
トラブルを回避するため
遺言書は法的な効力があります。その内容に従わない行動は、家族間のトラブルを引き起こす可能性があります。
遺言書やエンディングノートの内容を確認することで、後々のトラブルを回避することができるでしょう。
遺言書の取り扱いに注意!
遺言書を見つけたからといって、無闇に開封することは危険です。遺言書の内容を知りたい場合は、法的手続きを踏まなければなりません。検認の段階を踏むことで、法的手続きを遵守し、トラブルを避けることができます。
遺言書やエンディングノートは、故人の意思を尊重し、家族間のトラブルを回避するために欠かせません。遺品整理を行う際には、必ず事前に確認しましょう。
親族と話し合う
遺品整理において衣類を整理する歳は、家族や親族との話し合いが不可欠です。トラブルを避けるためにも、しっかりと話し合ってから始めましょう。
まず衣類の処分は一人で決めるべきではありません。葬儀の際に着せたい一張羅や、家族にとって大切な思い出の品もある可能性があります。分別や処分を行う前に、しっかりと家族や親族と話し合いましょう。
また遺言書には衣類に関する希望や意向が記されていることがあります。形見として残したいと考える人や、特定の約束があるかもしれません。
衣類の価値や処分方法は人それぞれ異なるため、トラブルを避けるためにも事前に確認を取りましょう。
親族で集まるタイミングでの話し合いをなるべく行い、全員の意思を確認することがポイントです。
ポケットの中身を1つずつ確認する
遺品整理を行う際、衣類のポケットもしっかりとチェックしましょう。意外なものが隠れているかもしれません。主に以下のポケットを確認すると安心です。
- 胸ポケット
- 腰ポケット
- 内ポケット
- ヒップポケット
故人の衣類のポケットには、現金や貴重品、時には大切な書類が入っていることがあります。特に上着やズボンのポケットには要注意です。遺品整理をする際は、ポケットの中もしっかりと確認しましょう。
またポケットだけでなく、衣類の隙間にも大事なものが隠れているかもしれません。畳まれた衣類を広げて、丁寧に確認していきましょう。手間はかかりますが、後悔しないためにも必要な作業です。
衣類のポケットには、思いがけない宝物が眠っていることがあります。遺品整理をする際には、ポケットの中も見逃さず丁寧に確認し、大切な思い出を見つけ出しましょう。
故人に着せる服を選ぶ
死装束とは、故人が最後に身に着ける服や付属品です。その由来は古く、故人の旅立ちが安らかなものとなるようにとの願いが込められています。
死装束には白色が用いられることが一般的です。白は神聖な色であり、また死を象徴する色としても知られています。
故人が安らかに旅立つことを祈る気持ちが込められていますが、必ず白でなくてはならないわけではありません。
故人が生前に気に入っていた服や遺族が選んだものでもよいことになっています。ただし棺に入れてはならない素材が含まれていないか確認しましょう。
死装束には入れてはいけないものは以下の通りです。
- 金属
- 紙幣
- 硬貨
- 火葬の際に燃えないもの全般
アクセサリーや結婚指輪なども火葬に支障をきたす可能性があるため、注意が必要です。必ず葬儀社のスタッフに確認の上、入れるようにしましょう。
また棺に写真を入れるのも、現在はOKとされています。写真はかつては縁起が悪いとされていましたが、今では故人の思い出として入れることも。
ただし写真に写っている人たちや遺族とよく相談し、入れるかどうかを判断してください。死装束は故人の最後の旅路を願う大切な意味を持ちます。遺族との話し合いを通じて、適切な形で故人を送り出すことが大切です。
形見分けをする衣類があるか確認する
日本では葬儀後の四十九日法要に向けて、衣類の形見分けを行う風習があります。この風習は江戸時代から続くもので、故人の着物を親族や近隣住民に形見として分け与え、思い出を大切に保管する習慣です。
まだ着られる着物や未使用の衣類が残っている場合、ご親族に譲るのを検討してみましょう。親族や友人が故人の服で欲しいものがあれば、形見分けでお譲りすることもあります。
形見分けは故人との思い出を共有する重要な行事です。大切な方の遺品を整理する際には、思い出を大切にする心を忘れずに、形見分けを行っていきましょう。
思い出があるなら服の写真を撮っておく
遺品整理の中でも、衣類は量が多く、思い出深いアイテムも多いでしょう。大切な服や形見として残したいものを捨てるのが心苦しいと感じることもあります。そのようなときに役立つのが写真です。
捨てることになる衣類でも、思い出深い服は写真を撮って残しましょう。汚れや傷があっても構いません。写真を通じて、故人を思い出すことができます。
写真を撮っておけば、遠方に住む家族や親族にも形見分けの参加を促すことができます。写真を送ることで、遠く離れた場所でも衣類を選ぶ手助けとなるでしょう。
スペースの都合で手元に残せない衣類でも、写真を撮っておくことで、捨てる決心がつくことも。また、写真を見ることで心の整理もしやすくなります。
写真は形見を残す貴重な手段の一つです。大切な思い出を写真に残し、故人をいつまでも心に留めておきましょう。
遺品整理で処分する服を分類する手順
故人の洋服を整理する際、まずは以下の3つに分けましょう。
- 残すもの
- 捨てるもの
- 保留するもの
しかし、衣類の遺品整理を始める際に、どのように分類すればよいのか迷うことも少なくありません。少しでも早く作業を進めたい人のために、具体的な分け方を解説します。
残しておく衣類を先に決めていく
故人の愛着のある洋服や特別な思い出が詰まった衣類は、「残すもの」として分類します。例えば、特別なイベントで着用した服や、大切な人から贈られた洋服などです。また故人の個性や趣味を反映した洋服も、思い出として残すべきでしょう。
処分する衣類を決めていく
着られなくなったり、状態が悪くなって修復不可能な洋服は、「捨てるもの」として分類します。
穴が開いたり、シミや汚れがひどいもの、縮んでしまったり伸びてしまったものは思い切って捨てましょう。また洋服のサイズが合わなくなってしまった場合も、処分を検討してください。
一旦保留する衣類に仕分ける
故人の洋服の中には、まだ着られるものや修復すれば着用可能なものもあるかもしれません。
そのような洋服は、「保留するもの」として一旦分類し、後日修復やリメイクを検討します。親族や知人が希望する場合や、寄付先が決まるまで保管しておくのもよいでしょう。
処分する以外の処分方法を検討する
遺品の衣類を処分する際、いろいろと悩んでしまうことも多いでしょう。しかし急いで処分方法を決める必要はありません。
時間をかけて慎重に考えることが大切です。一度感情的になってしまうと、後悔することもあります。ゆっくりと自分自身と向き合い、適切な判断を下すようにしましょう。
また家族や友人、専門家の意見やサポートを得ることで、より良い決断を下すことができます。周囲の人々とコミュニケーションを取りながら、適切な処分時期を考えていきましょう。
遺品整理で出た服の処分方法
遺品整理で不要となった服を処分する際、どのようにすれば良いか悩むことがありますよね。ここでは具体的な処分方法をいくつかご紹介します。
- 一般ごみで捨てる
- 不用品回収業者に引き取りしてもらう
- 市区町村の古着リサイクル回収を利用する
- アパレル店舗の古着リサイクル回収を利用する
- フリマアプリ・オークションサイトで販売する
- 古着買取店・リサイクルショップに買取してもらう
- NPO法人・支援団体に寄付をする
- 供養する
亡くなった人の衣類を処分する方法はこちらの記事でより詳しく紹介しています。
一般ゴミで捨てる
使い道のない衣類を保管することは場所を取り、負担になるため、思い切って捨てることが大切です。不要な衣類は、一般的には自治体のゴミ収集日に出すことができます自治体のルールに従って処分しましょう。
衣類をゴミとして出すことに罪悪感を感じる人もいますが、不要な衣類を処分することは無駄を省き、整理整頓するうえでも重要です。自治体のルールに則りながら、思い切って不要な衣類を処分しましょう。
不用品回収業者に引き取りしてもらう
不用品回収業者や清掃業者に依頼すれば、不要な衣類をまとめて処分してもらえます。特に遺品整理を業者に依頼している場合は、不要な衣類もそのまま引き取ってもらうことができます。
大量の衣類を自力で処分するのが難しい場合や、状態のよい衣類を買い取ってもらいたい場合は、業者に依頼することを検討しましょう。
おすすめの遺品整理業者はこちらの記事で紹介しています。
市区町村の古着リサイクル回収を利用する
自治体によっては、衣類を「古布」として回収し、再資源化する取り組みを行っているところもあります。
ただし、古布として出せる衣類や出し方には細かなルールがありますので、事前に確認してから処分しましょう。
アパレル店舗の古着リサイクル回収を利用する
最近では、不要になった古着を無料で回収してくれる店が増えています。ごみとして処分すれば、焼却処分によって温暖化の原因となる二酸化炭素の排出につながり、温暖化や気候変動に影響してしまいます。
主な引き取り先は以下の通りです。
- 無印
- H&M
- THE NORTH FACE
自社ブランドの服に限定される場合もありますが、店頭で無料回収してくれるアパレルブランドも増えています。自分に合った場所を探して、積極的に利用してみましょう。
無印
無印良品では、対象製品は分類され、着ることができるものはリユースや染め直して新たな商品として販売されます。
着ることができないものは、繊維に含まれる綿をバイオエタノールに、またポリエステル繊維をもう一度ポリエステル繊維の原料であるポリエステル樹脂へとリサイクルされます。回収方法は、無印良品、MUJI.com、MUJI to GOの店舗への持ち込みになります。
H&M
H&Mは、2013年から世界中で古着回収サービスを提供しています。このサービスはブランドを問わず、古着を回収するのが特徴。
回収された古着は、提携先を通じて処理されます。着用可能な古着はリサイクルされ、着用できないものは清掃用品などにリメイクされたり、繊維に裁断されて断熱材として再利用されたりします。
THE NORTH FACE
GOLDWIN(ゴールドウィン)は、アウトドアブランドの「THE NORTH FACE」などを展開しています。2015年からはブランドを問わず、どの服も受け付ける「GREENCYCLE」プログラムを実施。
回収された古着は、アイコジャパンとのパートナーシップを通じて、その状態に応じてリサイクルやリユースなどに活用されます。
フリマアプリ・オークションサイトで販売する
ネットオークションやフリマアプリを使えば、リサイクルショップよりも高値がつくことがあります。自分で価格を設定できるので、納得のいく価格で販売できる点もメリット。
ただし買い手を見つけるまでに時間がかかる場合や、写真や説明文の工夫が必要な場合もあるため、時間のない人には不向きでしょう。
状態の良好な衣類や高価な衣類は高値で取引されることもあるため、しっかりと見定めるのがポイントです。
古着買取店・リサイクルショップに買取してもらう
衣類をリサイクルショップや質屋に持ち込んで売却することができます。ただし身に着けるものなので、売却する前にはきれいな状態にしておくことが大切です。
店舗によって買取方法が異なりますが、重さで値段が決まる場合や1着ごとに値段が決まる場合などがあります。売るものによって選ぶべきお店も異なりますので、比較検討して選びましょう。
状態が良く、名前のあるブランドの衣類であれば、一定の値段で買い取ってもらえることがあります。
またブランド品の衣類が多い場合は、町のリサイクルショップだけでなく、ブランド品専門の買取店を利用するのも一つの方法です。インターネットで申し込み、宅配便で送るだけなので手軽に利用できます。
NPO法人・支援団体に寄付をする
使えそうな衣類は、寄付をするのがおすすめです。寄付された古着はアジアやアフリカなどの国に送られ、有効活用されます。
送料は自己負担となるケースがほとんどですが、気軽に社会貢献できるのがメリットでしょう。
寄付を受け付けている団体は数多く存在しますが、しっかり役立ててもらうためにも、寄付先の事業内容を確認しておくと安心です。団体や海外の貧困層の役に立ちたいと感じた人は、寄付を検討してみましょう。
供養する
どうしても有効利用できなくて、手放さなければならない衣類については、ご供養を検討するのも一つの方法です。
ご供養といえば、人形やぬいぐるみ、仏壇をイメージがありますが、形見の品の衣類も供養することができます。
亡くなった人の魂が宿っていると考えられるものは炎で浄化するお焚き上げという供養がおすすめです。お焚き上げを行うには、お焚き上げを実施しているお寺や神社に依頼するか、お焚き上げ専門サービスに申し込みましょう。
遺品整理で出た服の処分は片付け侍へ
亡くなった人の衣類はどうしても処分することに抵抗が生まれます。辛い気持ちがある中で処分を進めると、一生の後悔が残ることもありますので、当コラムを参考に少しでも負担や後悔の減らせる方法を試してみてください。
衣類には故人の思い出が残っていることが多いので、事前に遺言書などを確認し、家族や親族で話し合ったうえで処分することが大切です。
また、どうしても捨てられない衣類がある場合は、写真に撮ったりリメイクしたりして、思い出を別の形で残しておくのもよいでしょう。
片付け侍では、幅広いニーズに対応した遺品整理が可能です。電話・出張お見積りから、衣類を含めたご遺品の出張査定まですべて無料で承っております。最短即日での作業も可能なので、衣類の処分でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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